ロゴをクリックすると、ホームに戻ります

HOME 活動履歴 デジタルアーカイブ NPO法人概要 リンク集

[山梨県新長期計画]に対する意見書の提出


山梨県が行った「新長期計画(素案)」に対する県民意見の募集に対して、県民参画によるデジタル地域文化・産業の創造を実現するよう提言し、新長期計画の取りまとめに当たって、NPO地域資料デジタル化研究会の意見を的確に反映していただくよう要請した。

平成15年12月19日

山梨県知事
山本栄彦様

パブリックオピニオン所管部局担当者様

 

 

 

「山梨県新長期計画」に対する意見書

 

 

  本文書は山梨県パブリックオピニオン制度により県当局に提出する。

 

 

氏名及び団体:特定非営利活動法人地域資料デジタル化研究会理事長 小林是綱 

住    所:〒

406-0041 山梨県東八代郡石和町東高橋133番地

電    話:

055-262-5003

氏名及び団体:特定非営利活動法人 文化資源活用協会 理事長 浅川英光

住    所:〒

407-0322 山梨県北巨摩郡須玉町下津金2963番地

電    話:

0551-20-7100

 

件名:「新長期計画に対する意見書」の提出について

意見趣旨:山梨県新長期計画において県民参画によるデジタル地域文化・産業の創造を実現すること。

 

 私たちは、県民パワーによるNPOとして、地域の有形無形さまざまな資料のデジタルアーカイブ整備を行い、インターネット上で公開する非営利活動を展開しております。この実践のなかから、私たちは山梨の21世紀の地域社会創造のためには、さまざまな分野の情報を、行政そして県民がリアルタイムで共有し、地域社会のさまざまな課題を解決するために協働することが重要であるとの確信に至りました。

 このためには、様々な分野における過去から現在に至る地域資料をデジタル化し、かつその情報をインターネットを通じてすべての県民が共有し、かつ県民がこうした情報環境のなかで、地域課題のための共通認識をもつことが重要です。

 このように地域の知的資産を、まちづくりの知識として転化し、創造的継承する高度情報通信基盤を築くことが県民参画型の新長期計画策定の上で、最も重要な課題であると思います。

 

 さらに高度情報通信基盤を構築する上での基本的な理念として、県民には、公開された情報にアクセスする権利と情報選択の自由を保障することが重要です。新長期計画策定においてテーマとされる「県民挙げて参画する県政」をさらに推進するため、この県民の『情報アクセスの権利』と『情報選択の自由』を保障できる機能を盛り込むことが重要です。

 

 以上の情報を「ためる」「つなぐ」「いかす」という「情報創発」型(

*1)のサイクルを通じて、かつてのような上意下達による地域づくりではなく、県民主体の新たな地域作りへ変革することが可能となります。さらに現下の急速なIT革命の進展に対しては、県民の自主努力ばかりでなく、産学官民あげての協働による情報化施策の推進が必要であることから、本会は、該当個所7ヶ所について、山梨県新長期計画に対する意見を集約し、下記の通りとりまとめましたので、県パブリックオピニオン制度に則り、提出いたします。

 下記事項について十分勘案され、新長期計画の取りまとめに当たっては、これらの意見を的確に反映していただくよう強く要請するものであります。

 

(*1

)「情報創発」とは、政府のe−Japan戦略でも採用した理念で、「複雑系」の科学でいう「創発」を情報分野に適用した考え方。これまでに与えられた個別情報の相互連鎖作用によって予期しなかった全体的な特性が現れることをさす。この情報の相互連鎖作用により、新たな全体の価値創造がひらめきのように起こってくる。これが情報創発社会です。

 

特定非営利活動法人 地域資料デジタル化研究会 理事長 小林是綱

特定非営利活動法人 文化資源活用協会 理事長    浅川英光

 

 

○意見

<該当個所1>

第3章目指すべき県土像

 第3章−1 「誇れる郷土活力ある山梨」の実現

  「3つの宝の活用」

 

<意見内容>

 この該当箇所では、以下のように、県民が先人の努力の積み重ねで築いてきた3つの宝を受け継ぎ、活力ある山梨の資源とすることを提起されております。このことは卓見であり、私たちも全面的に賛同致します。

 

以下原文===

○ 県内には、誰もが引き付けられる豊かで美しい自然が溢れています。また、旺

盛な自立心を持ち、気力がみなぎる県民性や個性溢れる歴史・文化・産業を創り

出してきた力を見出すことができます。こうした力を、本計画では「美力「民力」、

「創力」と呼びます。

○ 私達は、本県がこうした優れた特性を持つことを意識せず、日々の暮らしを過

ごしています。しかし、この3つの力は、私たちが先人から受け継いだ「宝」と

も呼ぶべきものであり、全国に誇りうる資源です。

以上===

 

 しかしながら、新長期計画のなかには、こうした尊い資源を受け継ぐための基盤整備という考え方が欠落しております。全国に誇るべき具体的な県民性、あるいは歴史、文化、産業は何であり、そうした資源がどこにあるのか、どのように学習し、あるいは検証するのかという道筋が不明のままでは、新長期計画そのものが成立できないはずです。

 新長期計画が目指す県土像を確固としたものとするためには、様々な分野における過去から現在に至る地域資料をアーカイブ化し、かつその情報をインターネットを通じてすべての県民が共有し、かつ県民がこうした情報環境のなかで、地域課題のための共通知識をもつことが重要です。

 このように新長期計画が「先人から受け継いだ『宝』を資源」とするのであれば、地域の情報をアーカイブし、産業、教育、行政など社会全分野における改良のための知識として転化し、創造的継承できる情報基盤を築くことが、山梨県新長期計画策定の上で、重要な課題であるということは論理的帰結であります。

 

 よって、本会は、「誇れる郷土活力ある山梨」の実現において「美力「民力」「創力」に加えて、先人から受け継いだ文化・自然資源を守り・学び・伝えるための「伝力」を取り入れるべきであると思います。過去から現在、未来の人々へとそれぞれの時代の情報を知識に昇華し、伝えていく「伝力」があってはじめて、山梨のすばらしい多くの宝が、県民のものとして共有されるのです。

 すなわち、新長期計画においては、「4つの宝の活用」とするべきです。「美力「民力」「創力」に加えて「伝力」を設定されることを強く要請いたします。

 あわせて、その「4つの宝」の戦略的基盤として県立博物館、考古博物館、県立図書館、県立美術館がきわめて重要であり、新時代の課題によって構築・再編されることを要請いたします。

 

○意見

<該当個所2>

2 分野別施策の方向

 T 時代を生き抜く力強い産業の振興

  1 競争力のある商工業・サービス業の振興

   【現状と課題】

 

<意見内容>

 経済産業省商務情報政策局は、平成

14年3月の通達である『デジタルアーカイブの意義について』の中で、デジタルアーカイブの意義は、文化財等良質なコンテンツ素材をデジタル化保存し、 広く内外に発信し、その有効利用、情報化増進等、コンテンツ産業に欠かせない知的資産形成を促進することであると指摘しております。デジタルアーカイブ振興は、経済産業省の政策であるばかりでなく、全国のIT先進県における共通の認識として定着しつつある現状を、山梨県新長期計画においても考慮されるべきであります。

 全国の先進自治体において、産業情報化戦略として、デジタルアーカイブ事業による新たな地域産業の振興と雇用創出の試みが進展しております。具体的にIT先進県と言われる県の実践例を見ると、

 全国で県庁として最も早くデジタル・アーカイブの取り組んだ石川県では、江戸時代に加賀藩歴代藩主が、美術工芸文化を奨励し、当時の美術・工芸標本の集大成とも言える「百工比照」を作成した誇るべき歴史と伝統を活用し、「世界に開かれた人・モノ・情報の交流拠点づくり」に、全庁的に取り組んでいます。

 また、岐阜県では、陶器・木工・刃物・和紙を含む伝統工芸と、工芸職人による高い技術力を、岐阜の地場産業活性化に生かすために、これらの伝統産業におけるデジタルアーカイブを「織部プロジェクト」として、現代の産業施策に積極的に生かし、地場産業の国際ブランド化への実績を着々と進めております。これはアーカイブと近代産業の融合のお手本とされております。

 京都市では、千年以上に及ぶ文化創造の歴史をふまえて、学術や産業、芸術などの膨大な文化遺産の伝承において、「デジタルアーカイブ」を地域産業活性化のキーワードとして定義し、産業政策の観点から、デジタルアーカイブやデジタル・ミュージアム、アーカイブデータを活用したビジネスの振興とデジタルアーカイブの整備に巨費を投じ、「デジタルアーカイブ中核都市」を目指しています

 山梨県においても、新長期計画ならびにサブセットとしての産業振興プランにおいて、時代を生き抜き、時代に先駆ける産業の振興策として、地域産業とデジタルアーカイブを統合した産業政策ビジョンを打ち立てることが重要であります。地域資料を産業情報としての視点からも広く収集・保管・利活用できる総合的なアーカイブとネットワークの構築が課題であります。

 県政が

21世紀の時代に即した力強い産業の振興を目指すのであれば、以上の課題に取り組まれるよう要請いたします。

 

○意見

<該当個所3>

2 分野別施策の方向

 T 時代を生き抜く力強い産業の振興

  1 競争力のある商工業・サービス業の振興

   【施策の方向】

 

<意見内容>

 新規産業創出の施策として、以下の項目を提案いたします。

 

(1) 地域デジタルアーカイブ事業により地域文化の情報発信と新産業の創出を目指す。あわせて、地域デジタルアーカイブ構築・流通事業のための新たな人材雇用を積極的に推進する。

 既に他県で試行されている伝統的コンテンツのデジタルアーカイブ化の例としては、伝統工芸によるデザインをアーカイブし産業・工業製品の設計・デザインへの応用を図る取組み(京都市)などが知られる。またデジタル技術を活用した観光地・施設の紹介等(GISなどを応用した観光資源開発)による地域振興は相当広く実践されている。

 これらは多言語化を図ることにより、富士山をはじめとする山梨のブランドを国際的な情報発信ともなり、新たな顧客誘致の切り札となる。

 

○意見

<該当個所4>

V 明日を拓く人づくり・文化づくりの展開

 5 生活にうるおいをもたらす文化の振興

  【現状と課題】

 

<意見内容>

 全国の先進自治体で、地域文化戦略として産学官民が協働し、地域資料のデジタルアーカイブ整備を行い、行政、企業、学校、県民等がインターネットを通じて活用できる環境を整備する取り組みが始まっています。

 これらの自治体では、デジタルアーカイブの使命として過去から現在の様々な分野の文化遺産、知的資産を収集、蓄積し、百年単位の広い視野で継承、活用できるようにすることを目指しています。今後の「情報創発社会」の進展の中で、デジタルアーカイブによって、情報共有、情報活用が進み、歴史と伝統に根ざした文化や産業経済活動の再評価と創造的継承が生まれ、ここから地域の人づくり、文化振興の新しい可能性が広がります。

 山梨県新長期計画においては、その人づくり、文化造りの課題として、以下3点をふまえることが重要でありますので、計画書に盛り込まれるよう要請いたします。

 

(1)多様化する地域社会の中で、経済、文化芸術、教育、学術研究など幅広い分野にわたって、山梨県民が先人から受け継いだ「宝」に学び、県民が自らの「アイデンティティ」を確認することが重要できるよう、産学官民が協働し、「甲斐之宝」運動を起こす。

(2)山梨県民が先人から受け継いだ「宝」に学び、山梨の歴史伝統に立脚した山梨の「文化ブランド」の確立を図り、情報発信する。

(3)以上の事業を成功させるための地域文化戦略として産学官民が協働し、地域資料のデジタルアーカイブ整備を行い、行政、企業、学校、県民等がインターネットを通じて活用できる環境を整備する。

 

○意見

<該当個所5>

V 明日を拓く人づくり・文化づくりの展開

 5 生活にうるおいをもたらす文化の振興

  【施策の方向】

 

<意見内容>

 上記<該当個所4>の意見内容をふまえ、文化振興策を、従来のハコ・モノ主義からさらに一歩踏みだし、

21世紀の高度情報社会の進展に対応した、ダイナミックな施策展開を以下のように要請いたします。

 

(1)山梨県新長期計画における総合的なデジタルアーカイブ推進体制の位置づけ

 新長期計画の中に、人づくり・文化振興の観点から、行政、教育、文化、福祉、医療、産業など様々な分野における過去および現在の情報資源の「創造的継承」と「多角的活用」が可能とするように、別項目で整備する高度情報通信基盤の応用アプリケーションとして、総合的かつ長期的な視野に立ったデジタルアーカイブ推進体制を位置づける。

 この推進にあたっては、行政やNPO,企業、大学などが連携するオープンな実施体制を推進する。また、NPO側でも、地域を見つめる県民運動として「甲斐之宝」運動=「ためる」「つなぐ」「いかす」デジタルアーカイブの整備に取り組むものとする。さらに、民間企業が所有する情報資源についても、デジタルアーカイブのために積極的に活用する方策を検討していく。

 

(2)県・市町村行政文書のデジタルアーカイブ化の推進

 さまざまな地域課題は、県民自らが解決に取り組むという「地域経営」への発想の転換を図り、また県民が地域づくりに主体的に取り組むための重要インフラとして、県庁あるいは自治体が保有するさまざまな行政文書・資料(文書・写真・動画等)のデジタルアーカイブ化を推進し、かつ新長期計画で構築される高度情報通信基盤上で県民が一元的にアクセス利用できるようにようにする。

 

(3)市町村合併又は分権化に伴う地域資料の散逸防止

 市町村合併や行政権限の再配分に伴い、旧市町村固有の行政文書や地域文化資産が散逸する危険が危惧されている。これらの地域固有の情報資源をデジタルアーカイブ化により保存・継承していく措置を講じる。

 

(4)県立図書館の電子ライブラリー化の推進

 新長期計画では、県立図書館は歴史的貴重文書や行政文書の保存機関として、(1)から(3)の事業を実現する公立アーカイブの使命をいっそう鮮明にしていくことが重要。公立アーカイブを高度情報通信基盤と直結した電子図書館として、保有文書等のデジタル・アーカイブ化とネットワーク公開を強力に推進する。

 また、電子図書館(ライブラリー系)の使命は、費用効率からすれば、以下(6)に示す博物館、美術館等ミュージアム系のアーカイブとのデジタル統合を検討することが必要である。

 

(5)地域におけるデジタルアーカイブの整備・促進

 山梨県内には、豊かな歴史と伝統に根ざした文化や産業がある。こうした地域が歴史的に継承してきさまざまな情報資源を見直し、自分たちの郷土に誇りをもてるようにすることが今後の地域活性化のために重要である。このために、地域に埋もれた様々な資料を掘り起こし、かつデジタル化し、積極的に高度情報通信基盤を通じて公開することで、山梨の魅力を再発見するきっかけづくりとし、地域活性化に結びつけることが重要である。

 具体的には、方言、祭り、習俗、文化財など地域に点在する情報資源のデジタルアーカイブ化を重点項目とする。

 この項の事業は、さまざまなNPOをはじめ、産学官民の協働事業とし、以下(6)のデジタルミュージアム/データベースのなかで、検討することが望ましい。

 

(6)博物館、美術館などのデジタル化促進・教育コンテンツ活用

 県立の博物館、美術館、文学館をはじめ、地域の公立・民営の博物館・美術館の収蔵品等のデジタルアーカイブ化とデジタル・コンテンツの教育分野での利用活用を推進する。具体的には、以下の施策を実施する。

 

a.ユビキタスミュージアム構想の推進

 IT時代に対応した新しい博物館・美術館・文学館のあり方について、利用者に真のバリアーフリーを実現する「ユビキタスミュージアム(※)」の構築を推進することが今後の個性的な地域作りの上で重要である。

 「ユビキタスミュージアム」は、現実の館内施設のバリアーフリーと同時に、収蔵品に関する様々な情報の利活用について、時間や場所の制約を開放し、「県民のだれもが、いつでも、どこでも」博物館の情報にアクセスできる究極のバリアーフリー型博物館を実現するものである。

 ユビキタスミュージアムは、本物とデジタルが融合した総合的なデジタルアーカイブ構築が、その基盤となる。具体的には、以下の4項目で構成する。

 (※)ユビキタスとは、いたるところに存在する(遍在)という意味。インターネットなどの情報ネットワークに、いつでも、どこからでもアクセスできる環境を指す。

 

b.1次資料のデジタル保存

 博物館等が収集するあらゆる有形無形の1次資料について現物保存と同時に、デジタルデータ化の措置を講じる。

 デジタル化されたデータ保存により、劣化による文化遺産喪失の問題に対処出来るばかりでなく、出来る限りデジタルでの公開に留意すれば原物の汚損劣化を防止できる(保存と公開の両立)。また、貴重な文化遺産は出来る限りCAD(※)データも採取し、物として複製、復刻するために備えるのが望ましい。

 (※) CAD(

Computer Aided Design:コンピュータ支援設計の略)とは、コンピュータを利用して機械、家屋などの物の設計を行うシステム。

 

c.ネットワーク公開

 博物館が収蔵するあらゆる1次資料について、デジタル化されたものは、高度情報通信基盤で全面公開し、学習の用に供することとする。

 この作業により、従来博物館の展示スペースの制限により実現できなかった全収蔵品の公開が可能となり、施設内でのモノ・コト展示をネットワーク上で補完することができる。さらにネットワークに対応することにより、24時間365日地球規模のノンストップネットワーク博物館となり、

21世紀社会のニーズに対応することが可能となる。

デジタル化された1次資料は、目録などの副次資料と連動して、利用者の検索活用の便宜を図るよう整備する。

 

d.NPO等県民パワーの活用

上記b.c.の作業において、失われつつある文化遺産を、調査、発掘、収集、保存等のすべての作業を博物館スタッフだけで実施するには、人的、予算的、時間的な制約のなかで十分な成果を上げることが困難であると思われる。

デジタルアーカイブの整備には資料のデジタル化から公開まで大量のマンパワーを必要とするので、その整備にあたってはNPOや県民参加等を効果的に活用することを推進する。デジタル化について専門的な技術を要するものについては企業や大学の協力により行う。

 また、ネットワーク上に開かれたユビキタスミュージアムの運営にあたって、行政、NPO、企業、大学など運営協力者が集える「産学官民協働」のオープンな運営組織を設立することが望ましい。

 

○意見

<該当個所6>

V 明日を拓く人づくり・文化づくりの展開

 6 誇れる地域の創造

 【施策の方向】

 

<意見内容>

 法人化された非営利組織であるNPOは、21世紀の山梨地域社会づくりの責任ある県民主体として誕生したばかりであり、県としてその活動の振興、支援が今求められています。

総務省調査では、国民のインターネット世帯普及率が8割に達している現状であり、NPOの情報交換は、eメール等ネットワーク上に基盤を移し、ネットワーク・コミュニティを形成し始めています。

さらに地域社会づくりへ積極的に参加しようとする県民の『情報アクセスの権利』と『情報選択の自由』を保障する仕組みとしても、ネットワークコミュニティの形成が、ますます重要になっていきます。

このため、「新長期計画」においては、高度情報化時代におけるNPOの活動がIT活用によって、飛躍的に発展するよう、以下要望します。

 

(1)NPO総合情報支援センターの構築

 NPOは誕生からまだ歴史も浅く、情報機器の活用が不得意な団体も多い現状です。

このため県が整備を予定する高度情報通信基盤の上に、ネットを通じて、NPOの総合的な情報化を支援し、NPO相互の協働を推進するサービスインフラとして「NPO総合情報支援センター」が必要です。センター設置を新長期計画における施策として盛り込み、以下の機能を設置することを要望致します。

 

a.先進的な情報機器の開放利用、あるいは貸し出し

b.ITリテラシー研修の場の提供

c.NPOの電子メールやホームページ公開機能を整備し、情報発信・受信を支援する

d.NPOのネットワーク・コミュニティを活発化させるインターネット・グループウェア機能やフォーラム機能を提供する。グループウェアはスケジュール管理や文書共有などがネットワーク上で安全にできるようにする

e.NPOの活動支援に関する情報のデータベース整備

 

○意見

<該当個所7>

X 快適な生活と活発な交流を支える基盤の充実

 3 高度情報通信ネットワーク社会の形成

  【施策の方向】

 

<意見内容>

 素案における施策の方向として新長期計画では、「(1) ITを活用した住民サービスの向上、(2) 情報化の基盤づくり」の2項目を設定されておりますが、新長期計画全体の重点施策の全分野において、高度情報通信ネットワークとの連携は、もはや不可欠であります。よって、高度情報通信ネットワーク社会の形成は、単独の課題としてみるべきではなく、新長期計画全体に共通する横断的な課題であり、新長期計画の中で「基盤」としての位置づけをされたことは当然であります。

 よって、具体的な施策展開にあたっては、県として、以下の諸点について積極的な対応を行っていくよう要請いたします。

 

(1)高度情報通信基盤と連携したデータセンターの構築

 高度情報通信基盤上に総合的なデジタルアーカイブの受け皿となる「データセンター」を構築し、公益活動のための利用者には申請により無償で利用できるようにする。光ファイバー、XDSL、CATVインターネット、ホットスポットなどの多様な経路により、高速、かつ効率的に、アクセスできるようにする。

 

(2)高度情報通信基盤の整備と無償開放

ブロードバンド時代と言っても、まだ地域によっては、デジタルデバイドの問題があり、都市部における快適で格安な高速通信環境が利用できない場合があり、今後の都市部との格差はますます拡大すると予想されます。

高度情報通信基盤の整備により、アーカイブ公開のために大容量回線へのアクセス環境を必要とするNPO,ボランティア団体が無償もしくは低廉な料金で利用できるように格差是正を保障する。

 

以上