84 岳麓ゴルフ塲[# 目次では「場」となっている]

「日本フジ山アリヤ目の前に
       影を落すや水鏡」
海拔九百米内外の岳麓に五湖が點在し、其の附近各所にゴルフ場が設けられてゐる。
版畫は山中湖畔ゴルフ場を示したもので、富士を見上げて緑の芝生のスロープを利用したゴルフリング、[# 原本では改行されているため「、」がないので入れた]眞に天下の好球場である。この外スキー場、競馬場をはじめ帝大、一高、高師等の寄宿舍、グラウンド、日本青年館分館等が設けられ、今や國立公園として飛躍のスタートを切つてゐる。
岳麓に散存する水掛菜、水掛麥の栽培は、水温の利用、水中養分の利用等の上から、貴重な資料として珍重されてゐる。この外岳麓一帶[# 原本では「一体」となっている]に亘ってトーモロコシ、ソバ、キヤベツ等が盛に栽培されてゐる。

(古谷文太郎)


前頁  次頁