77 金櫻神社の登龍

仙娥瀧を境に峽谷から開放され、猪狩の部落を約二粁進めば金櫻神社がある。石段の上には隨神門、本殿、拜殿、神樂殿、東の宮、中の宮、太皷殿、神輿庫等の國寳建造物、若しくはこれに準ずる古建築が立ち並び、その構造の精巧、彫刻の華麗、金壁の燦然たる、眞に人工美の粹を盡してゐる。
この版畫に見る、登り龍の彫刻は、名匠左甚五郎の作と傳へられ、有名なものである。

(矢崎好幸)


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