6 市役所デツサン

明治二十二年六月市制施行の際は、現在の商工會議所の處にあつたが、其の後現地に移轉改築された。 秘書、庶務、社會、産業、土木、保健、教育、兵事、戸籍、税務、會計、水道の各課に分れ、甲府市の心臟部として嚴たる存在を見せて居る。
市勢は年と共に進展して今や人口九萬、大甲府市實現の曉は十五萬を抱容する大世帶となる。
年と共に自治的各機關は促進し、電燈や瓦斯の普及、[# 原本では改行されているため「、」がないので入れた]道路の鋪裝、隣接町村の編入、水道の設置擴張等の諸問題も工合よく處理され、日に新に日に/\新な理想的觀光都市の顯現に精進して居る。武田菱に龜甲を配し、國産色で彩つた市の紋章は、よくこの精神を物語つてゐる。
甲府市よ!幸多かれ。

(白砂三郎)


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